【母親と娘13】番外編。お金に執着し財産争いは、お金の亡者を呼ぶ
☆ 実家のことで一さんが、いろいろと調べていることを不思議に思った奥さん(優)は、質問しました。
優 実家のことでトラブルが起きているの?
一 愛が財産を独り占めしようとしているんだ。
俺たちが知らない間に実家に住んでいる。
玄関の鍵も変えられ俺たちは、入れない。
優 争うのは、辞めて。
人が変わったようにお金に五月蠅くなっているのに気がつかないの?
一 俺が?
優 そうよ。
以前までは、通帳なんて見なかった。
☆ 優さんの言葉に我に返ります。
優 家計簿も見なかった。
確かにお金がないと生きていけない。
家もある。
老後の資金もある程度貯まった。
私は、お金より幸せに暮らすことがいい。
以前のお父さんに戻って欲しい。
瞳さん、明さんと電話で話しているときの顔は、鬼のようで怖い。
私、今までの生活で十分幸せよ。
財産争いは、辞めて。
一 ・・・
☆ 優さんの言葉でこれまでのことを振り返ります。
優さんの言うようにこれまでは、幸せに暮らしていたと思います。
○ お金は、人を狂わしてしまうことがあるのですね。
☆ そうです。
一 本来は、四人で均等に分けるべきだ。
放棄するのか?
優 放棄してこれまでのように幸せに暮らしたい。
今までのお父さんに戻って。
一 考えさせてくれ。
優 うん。
☆ その頃、愛さんは二階の部屋を探していました。
以前は、明さんの部屋だったのですが、物置になっています。
愛 これは、何かしら?
☆ 棚の奥に木箱を見つけました。
取り出して中を確認した愛さんは、ニタリと笑います。
愛 見つけた。
印鑑、土地の権利書。
☆ 銀行に行き100万円を引き出しました。
○ 口座は凍結されていないのですね。
☆ 子供達は、財産のことなど知らなかったため全ての金融機関に名義人の死亡を連絡していないのです。
○ お金を下ろしたことで罪に問われます。
☆ そうですね。
不運を招き寄せます。
愛さんは、不審に思われないように何回にも分けて現金を下ろしました。
☆ 休みの日、明さん、瞳さん、一さんが集まりました。
一 これ以上争いたくない。
争ったことで幸せが逃げていった気がする。
明 お金はいらないのか?
一 争うのなら、いらない。
今の俺たち兄弟は、お金の亡者と同じだ。
瞳 そうかも知れない?
明 弁護士に任せるしかないな。
☆ 他にも口座があるのではと思った愛さんは、物置を探します。
しかし、通帳などは見つかりません。
愛 変ね。
普通は、複数の銀行を利用している。
他にもあるはずなのに・・・
☆ 綺麗に整頓されていた物置は、物が散乱しています。
棚から出した物を床に放置しているのです。
○ 他の部屋も散らかっているのですか?
☆ そうです。
物を出したら、そのままです。
台所が一番散らかっています。
シンクには、洗われていない食器が山のようになっています。
○ 普通ではありません。
☆ 実家に居たときは、瞳さんが家事をやっていました。
料理も下手で片付けも苦手なのです。
これが離婚の原因です。
○ なるほど・・・
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