☆ 毎日、愛さんは、電話をかけます。
明さん、瞳さん、一さんは、嫌になり電話に出ません。
それでも愛さんは、電話をかけ続けます。
我慢できなくなった三人は、着信拒否の設定をしました。
○ 愛さんのやっている行為は、嫌がらせです。
☆ そうですね。
理由があってやっているのです。
○ 理由ですか?
☆ そうです。

☆ 三ヶ月が過ぎた頃、瞳さんが空気を入れ換えるため実家にやって来ました。
ドアを開けようと鍵を刺そうとしたのですが、鍵が入りません。
何度やっても駄目です。
不思議に思い居間の方を見るとカーテンが開いています。
覗いてみて驚きます。
居間には、愛さんが居るのです。
呼び鈴を押すと愛さんが出てきました。

瞳 何でここに居るの?
愛 私の家だからよ。
瞳 何を言っているの。
相続の話は終わっていないでしょう。
愛 自分に家に帰ってきて文句を言われるのは変。
瞳 お母さん、お父さんが居たときは、戻ってこなかったくせに。
愛 関係ないわ。
瞳 鍵を変えたのね。
愛 うん。
私の家だから、私が決める。
勝手に入られても困る。

☆ 大声で言い合っていたため隣の人が見ています。
それに気がついた瞳さんは、明さんと一さんに連絡しました。
○ お金の亡者からのひらめき(メッセージ)で行動したのですね。
☆ そうです。
悪知恵の名人なのです。
☆ 30分が過ぎた頃、明さんと一さんがやって来ました。
二人は、怒っています。
○ 勝手なことをすれば、怒ると思います。
☆ そうですね。

明 愛、なんのつもりだ。
勝手に住むな。
鍵も元に戻すんだ。
愛 いやよ。
ここは、私の家。
みんなは、自分の家があるでしょう。
一 勝手なことをするな。
瞳 自分のアパートに帰って。
愛 アパートは、解約した。
荷物も全部運んだ。
ここが私の帰る家。
みんなも自分の家に帰って。
明 ここに住むなんて聞いていない。
俺たちの了解が必要だ。
愛 実家に戻ることを伝えるために電話した。
着信拒否したのは、みんなでしょう。
話を聞こうとしなかった。
私を責めるのは、間違えている。
明 お前が、しつこく毎日電話してくるからだ。
○ 女神様、毎日、電話をかけ続けた理由なのですね。
☆ そうです。
これが、愛さんに憑依しているお金の亡者の知恵なのです。

☆ 時間が経つほど声が大きくなります。
口論に驚いた近所の人が、通報しました。
10分後、パトカーがやって来ました。
口論しているためパトカーに気がつきません。
○ 異常です。
☆ 本人達は、必死なのです。
霊視が出来る方が見るとお金の亡者の争いです。
警 もしもし。
どうしたのですか?
☆ 警察官に声をかけられ驚いてしまいます。
明さんが事情を説明しました。
警 大声で口論しないで下さい。
近所迷惑になっています。
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